北海道 ツーリングレポート 2000 夏

[ Prev | Index | Next ]

第 9 話 : 和琴


8/17 (木) またまた快晴

今日も日の出前に目が覚める。すでに何人かのキャンパーも起きている。
900草原から見る日の出は荘厳だ。これを見逃す手は無い。
摩周岳の奥から明るくなり、山々の輪郭がくっきりとしてくる。
釧路川流域にうっすらと掛かっている霧が静かに流れていくのが眼下に見える。

日の出直前の数分間のみのマジック。写真も撮らずにみとれてしまった。
完全に日が昇るとフツーの昼間の景色になってしまい、面白くない。

今日は休養日なのだが、まだまだ3人とも元気いっぱい。二日酔いもないようだ。
荷物をまとめ、朝飯を取りに弟子屈郊外のコンビニへ。
5日ぶりに新聞なぞに目を通しつつ、朝から胃拡張モードで食べまくる。
この時点で、我々の次のターゲットは釧路川に決まった。
おさる2名には初めての釧路川だ。

川の下見をしつつ屈斜路湖に向かっていく。
湖岸に出るとクルマが多い。砂湯キャンプ場はいつもながら激混みのようだ。
川湯温泉まで出て簡単な買い出しをする。やはり和琴へ行こう。

あっさり和琴に到着。宮崎商店でお約束のいもだんごを買う。美味い。
明日の釧路川下りに備えて、店のおじさんに弟子屈からの交通手段を聞く。
どうやら4時頃に弟子屈発-和琴行きのバスがあるようだ。
弟子屈のバス乗り場の場所をチェックしてくるのを忘れたが、まぁなんとかなるだろう。

キャンプ場(もちろん国設ぢゃない方ね)にチェックインしテントを立てる。
2年前とほとんど同じ場所だ。前は大雨暴風の中だったが、今日は快晴無風。
真夏の日差しがジリジリと肌を刺す。日陰に居ても暑い〜

和琴一周ツーリング開始♪

波も無く平和な湖面をただ眺めているワケにもいかず、フネを組み立てる。
漕ぎもせずに人間ごとザブンと湖に沈めて塩抜き。
ウトロ港では水が使えなかったから、ここでメンテしたワケなのだが
端から見ると怪しい光景だったかもしれない。
レンタルカヤックの人達が怪訝そうな目でこちらを見る。

そうこうしているうちに昼過ぎになってしまったので、
前回は暴風のため断念した和琴半島を時計回りに一周してみることにした。
空荷のカヤックは軽い。スイスイ滑るように進む。
半島の緑が濃くて気分がいい。ミンミンゼミの声が響く。

沖を見ると、10人以上が乗った白い巨大カヌーが半島の先へ進んで行く。
シングル艇では追いつけない程のスピード。なんじゃありゃ?

和琴半島の先端は崖になっていて、岸辺ギリギリのトコロで温泉が何ヶ所も沸いている。
硫黄分が強い。匂いもキツいが、、崖も黄色く染まっているのですぐわかる。
半島を一周する遊歩道からも降りられないことはないが、地熱が高いため、ヤケドの恐れありちうい。
カヤックならキャンプ場からのんびり漕いでも30分もかからない。
湖からアプローチする方が断然オススメである。

ジャイアント・アミューズ

お揃いのPFDと長靴を着た老若男女が、先ほどのフネから降りていた。
フネの正体は今は亡きファルホーク(現アルフェック)が作成した、巨大ファルト・カヌー ジャイアントアミューズだった。なんと17人乗り。
本物は初めて見たがデカい!

ガイドのおにいちゃんに聞くと、湖畔のホテルで出しているツアーだそうな。
いくら掛かるのかまでは聞かなかったが、なかなか良いツアーだと思った。

温泉とブリアン

我々も温泉を味わう。開放感はバツグンだ。青い空。青い湖面。
源泉は熱いので、湖の水と混ぜてちょうどよい湯加減にするのがコツだろう。
それでも熱ければ、湖に飛び込めばよろし。
痛恨なのはタマゴを持ってくるのを忘れたコト。
ツアーの人達が温泉卵を作っているのを指をくわえながら見る。

「知られざる温泉がもう一つあるらしい」という情報を耳に入れていたので、
付近をいろいろ探してみたが、年代物のポンプ小屋を見つけたぐらいで、 あっと言う間に一周してしまった。

露天風呂に突っ込むわたくし

キャンプ場は反対岸。漕いで戻るのもめんどくさい。
半島付け根の一番狭い場所をフネを担いでポーテージする。

ここには池のように広い露天風呂がある。
たまたま誰も入っていなかったので、悪ノリしてカヤックごと突っ込んでみたのは秘密(笑)
いつもはヌルいのだが、この時ははかなり熱かった。

お約束のキャンプ風景

テントまで戻り、タープを立てて日陰を確保。
ポール代わりに、お約束のパドルを使用。
各自、本を読んだり、昼寝したり、気が向くと湖に飛び込んだりして、夕方までだらだらと過ごした。

知床の余り物で夕食を作っていた時、背の高い外人さんがニコニコしながら話しかけてきた。
カナダ人のカヤック乗りだそうで、Kライトを見て嬉しかったらしい。
奥さんが日本人だそうで、日本語がかなり上手い。 フェザークラフトは本国でも高いそうで、自身はボイジャーを愛用しているとのこと。
知床にチャレンジしたいとのことだったので、情報をいろいろ交換した。

夜、コタンの湯までクルマで出かけてみる。
男も女もけっこう満員で、しかもお湯が異常にヌルくてイマイチ。
時間帯を選べばいいのだろうが、暗くなったら寝る生活を続けていたのでネムさ爆発。
和琴に戻って、速攻で爆睡した我々であった。



[ Prev | Index | Next ]