北海道 ツーリングレポート 2000 夏

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第 6 話 : カシュニの滝


8/15 (火) 曇り時々晴れ

いつものように 4:30 に目が覚める。
熊が来た形跡はない。そう言えば、知床に入ってからキツネも鹿も全然見ていない。

海は今日も穏やかだ。気温も思ったより高い。
のんびりと朝飯。チーズの乗せて餅とソーセージを焼く。
意外にもコーヒーが合う。ビタミン補給には野菜生活と錠剤。

フネに荷物を積み込んでいると、学生さん達が出発していった。
徒歩に比べたら、荷物を背負わなくてもよいカヤックは遙かに楽だ。
なんとなく申し訳ないような気分で見送る。この先も徒歩では難所が続く。無事に岬に着けるだろうか。

ここで一つ事件が発覚。
なんと5万分の1「羅臼」の地図をクルマに置いてきてしまったのだ。
一応ルシャ谷までは「知床岬」がカバーしているし、ガイド本の略図である程度のカバーはできる。
まぁ、この天気ならばなんとかなるだろう…

6:30 アウンモイを出発。
昨日、日焼けでけっこう苦しんだので、今日は3人共長袖を着た。
イタシュベワタラをかわす。浜はなく断崖に近い。彼らはこんなトコロを歩いてきたのか!?

イタシュベワタラをかわす

観音岩は想像していたよりも小さかった。断崖の上にポツンとある。
波・風・ウネリはまったくない。今日も平和なベタ凪だ。
フネは順調に進み、8時前にはマムシの川も知床川も越える。
谷の奥の滝が綺麗だ。

このあたり、いかにも熊が出そうな秘境の雰囲気。
羅臼側に比べると番屋もほとんどなく、手つかずの自然が味わえる。
ただし、海には定置網が多くてブイがいやでも目に入る。
西伊豆等と比較しても遙かに多い。いくらなんでも多すぎないか!?

カバルワタラの大岩の影に番屋があった。岩が天然の防波堤になっているのだ。
お盆の時期だからだろうか。この番屋にも人はいなかった。
ここで上陸して休憩。大岩はカモメのコロニーとなっていた。
雛がフネに寄ってくる。人間をまったく恐れない。ピーピー鳴いてかわいい。
大きさ的には親鳥よりも大きいぐらいだが、まだ飛べないようだ。

岩肌にぽっかりと丸い穴が開いている。カシュニの岩だ。
奥はちょっとした洞窟になっていて、海燕の巣がある。
バクダンに注意しながら久々の洞窟探検。

カシュニの滝

カシュニ岩の浅瀬をぐるりと回ると正面に滝が…直接海に注いでいる。
間違いない。カシュニの滝だ!
高さは 20m程だろうか。それほど高くは見えない。

ここは滝壺にカヤックで突入できるのだ。
一見、岩に囲まれていて進入不可能に見えるのだが、
カヤックの幅ならばギリギリ通り抜けられる。
意外とショボく感じていたのだが、真下まで近づくと結構恐い。音もド迫力だ。

チャレンジャー林゛

先頭を切って、林゛さんが突入!
滝壺特有の水しぶきが飛び散る中、ビデオカメラを回す。
なにやら、滝壺の奥で体制を整えた後に、見事に真ん中をくぐった!!ヤルぅ〜

次いでブリアンが突入。しかし、真ん中に近づけないで回ってきてしまう。
カメラを渡して、スプレースカートをガッチリ締めておいらも突入!
なんだコレは〜!! 想像以上に風圧がものすごくて、まったく滝に近づけない。
廻りの岩に張り付けられる感じ。やむなくブリアンと同じコースへ。うが〜!

悔しいのと面白いのとで、ドーパミンが噴出し(笑)再チャレンジ
最初から直線的に進めるコースを取ってなんとか真ん中をくぐる。デッキを叩く水圧が強烈。
頭からズブ濡れになってしまうが、最高に面白かった。

そんなこんなで 9時半近くまで遊んでしまった。
地元カヤッカー氏のアドバイス通り、ぼちぼちルシャに向かおう。

あれれ?前方に波が立ってるぞ!?


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