北海道 ツーリングレポート 2000 夏

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第 4 話 : 先端へ


8/14 (月) 晴れ

例によって4時過ぎに起床。ぐっすり眠れたので寝覚めも最高。
今日も天気がイイ!国後島もクッキリ見える。
ラジオの気象情報でも安定しているようだ。ツイている。

モチ入りインスタントラーメンと昨夜の余りのイクラ etc. で朝食。
幸いにもヒグマやキタキツネの夜間訪問はなかったようだ。
モイレウシ川の水をくんで飲み水を作る。エキノコックスを警戒して念入りに煮沸。
さらに「浄水剤 PURE」を数滴入れる。残念ながら、若干硫黄臭くて不味い。

7時過ぎに出発。
メガネ岩の横に漁師さんのフネがいたので昆布漁を見学。
箱メガネで水中を覗きつつ、片手で持った竿で昆布を絡めて採っていた。
フネには長さの異なる竿が各種取りそろえてあり、カッコ良かった。

ペキンノ鼻

沖に出ても心配していた風はほとんどない。
30程漕いで小説「ひかりごけ」の舞台ペキンノ鼻を通過。
悲しい事件の舞台だが、真夏の日差しの下では、とてものどかに見えた。

ブリアンの体調もほぼ復活したようだ。
昨日程穏やかではないが、ほぼ凪の海を調子よく漕いで行く。
デッキ・コンパスは NNE から 真北を差した。


男滝(左)と女滝(右)


しばらく行くと、大きな滝が2本視界に入ってくる。
「滝ノ下」という地名にふさわしい雄大な景色だ。

左の男滝が太いのが一本。
右の女滝が途中で二股に分かれている。
なんとなくわかりやすくて良い(笑)


2本の滝の間に上陸。
トレッキング途中と思われる人達(高校生ぐらいに見えた)がテントを張っていた。
海からだと楽だが、全装備を背負ってここまで歩くのは大変だろう。

浜には大量の昆布が打ち上げられていて、それが腐ってイヤなニオイがする。
ガマンできない程ではないのだが、ショウジョウバエのような蠅が大発生しているのには辟易した。
ウエット着用で非常に暑いので男滝にて水浴びする。
ちなみに海岸からは男滝の全容はほとんど見えない。海から見れるカヤッカーの特権か。

出発直前に、昨日、相泊で一緒になったカヤッカーが岬方向からやってきた。
昨夜は文吉湾にキャンプしたそうだ。それにしても、まだ9時を過ぎたばかり。速い!。
再度この先の海の状況のアドバイスをもらう。感謝。

気を引き締めて出発。
カブト岩の内側をかわす時に若干のウネリがあったが無事にクリア。
ところどころでサーフが立っている。岩礁地帯だ。

知床岬1

赤岩をかわすと、左手の陸地がぐっと低くなってくる。
彼方の台地の上に灯台が…知床岬だ !!
まさにアイヌ語の「大地の果てるところ」シリ・エトクである。
南東の風が少し強くなってきた。

いやがおうにもパドリングにチカラが入る。
岬周辺は岩礁地帯になっており、あたかも珊瑚礁のリーフの中のよう。
沖を流れる潮流は最大で4.8ノット (時速 9km/h) もあるらしい。
下手に流されると、そのままカムチャッカ行きだ。
干潮の時間帯だったが、迷わずリーフに突入。


知床岬2


ススキのような海草が茂る中を進む。カヤックでも底を擦るぐらい浅い。
確かに迷路のようになっているが、外海とは違って非常に平和な世界。
空はスコーンと晴れて、吹き抜ける風が肌に心地イイ !
望むべく最高のコンディションだ。

10:20 大きな岩礁の上に上陸。灯台をバックに記念写真。
なんてったって、日本の最東北端である。先端マニアには堪らない(笑)
「しれ〜とこぉ〜の岬にぃ〜」と歌ってしまうのはお約束。
ついに、こんなトコまで来ちゃったんだなぁ…感慨もひとしお。



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