カナダ・ユーコン 2003 夏

3. ホワイトホース 〜 ジョンソンズ・クロッシング 〜 ヘンリー・アイランド


6/20 (金) 雨のち晴れ

部屋の暖房(夏なのに!)が暑すぎて何度も目が覚める。
白夜と興奮のせいもあったのかもしれない。
2時ぐらいに薄暗くなるものの、結局真っ暗にはならなかった。タバコを吸いに外に出るとかなり寒い。
残念ながら小雨が降り続いている。

気が付くと、部屋のドアにホテルからの「お詫び状」が挟まっていた。
チェックインの手際が悪かったため、カフェテリアの朝食を無料サービスとのこと。ナイス(笑)
当然ながら?一番高いメニューをチョイス。朝からカナディアンサイズでおなかいっぱい。

ピックアップは9時。
ここで Yas と初めて会う。日本人バックパッカーだ。これでツアー参加者は11名となった。
余計な荷物は KANOE PEOPLE で預かってくれるので、一旦チェックアウトする。
駐車場に停めてある車のラジエターから電源プラグが出ているのが面白い。
車止め側にコンセントが装備されている。冬場はエンジンを掛ける前にラジエターを解凍しなければならないのだ。

Don の家のティピ

途中、ガイドの Don をピックアップするため家に寄る。
彼は ユーコン大学 の講師もある。建築学担当なので家はもちろん手作りだ。
自作のカヌーや、ジャグージもあって楽しそう。極めつけは庭のティピ。
David は、仕事が決まる前このティピに数ヶ月住んでいたとそうだ。

アラスカハイウェイをスタート地点の Johnson's Crossing へ向けひた走る。
小雨は相変わらず降り続いている。
すれ違うのはキャンピングカーが多いが、意外にバイクも多い。
ハーレーがほとんどで、完全装備をしていてもこの気温ではかなり寒いだろう。


森の間からテズリン川に掛かる鉄橋が見えた! Johnson's Crossing だ。
キャンプグランドやガソリンスタンド、カフェと売店もあった。
ここで昼食を各自取った後、しばし文明社会と別れることになる。
水洗トイレともしばしの別れ。

Johnson's Crossing スタート地点

橋のたもとまで歩いて下っていくと、そこがスタート地点だった。
すでにフネはトレーラーから降ろしてくれてある。
一週間分の食料・キャンプ道具等の一切を積み込み、ロープで固定。

Don がカナディアン・カヌーの漕ぎ方(Jストローク)を説明してくれる。
フェリーグライドも説明するということは流れが速いのだろう。
転覆した際の救助を求めるやり方は皆真剣に聞く。
雨はほぼ止んだ。記念写真を撮ってからいよいよフネに乗り込む。

最初は橋のちかくの瀞場で練習。
フネは荷物満載のため安定性は充分。1人ではまだ真っ直ぐ進まないが、まぁ2人で漕げば大丈夫だろう。
水温は想像していたよりは冷たくない。夏の歴舟川上流ぐらいか?

David から声が掛かっていよいよスタート。
憧れのユーコン川(まだテズリンだが)に浮かんだのだ。雲は厚いものの気分は最高!
David & Katarina 艇が先頭で、Don がしんがりを漕ぐ。
総勢 14人 (カヌー7艇+カヤック1艇)の大グループなので、あまりバラバラにならないようにする。

テズリンを行く

右岸にぱらぱらとあった人家も絶え、Johnson's Crossing の橋を渡る車の音も聞こえなくなった。
川幅が若干狭くなり、0.5級程度の早瀬を通る。水深はたっぷりあるので、まったく問題なし。
この川ならではの Cut Bank (砂の崖) が興味深い。遠くには残雪のある山も見える。
熊がいないか注意して岸を見るがその気配はない。

後ろにひっくり返って空を眺めていたら Don に怒られた。
バランスを崩す恐れがあるから、ちゃんと座ってなさいとのこと。あいや、キビしいな〜
フネの上でさっそく祝杯をあげていたおぢさま方も注意されていた。

1時間程下って、右岸の低地に上陸。Piss Stop だ。
鈴が早速ルアーを投げるとすぐに魚が掛かる。結局バラしてしまったが、本人はパイクだと言い張る。
シロートの一投目で掛かるとは…釣りの期待も大いに高まった。

黒と白の綺麗な模様のカモ?が一羽 Yas のカヤックの後を付いてくる。人間が珍しいのだろうか?
潜りも達者で、一旦潜ると2分ぐらい水中に居て、思いがけない場所に浮かび上がってくる。
空には晴れ間が見えてきた。嬉しい〜♪

そうこうしているうちに David から左に寄れとの指示。
どうやらここがキャンプ地らしい。熊の痕跡がないことを確認してから上陸。
ヘンリーアイランドの手前。浅瀬がないので、上陸には少し苦労した。

2匹目のグレイリング

さっそく蚊の襲撃を受ける。虫避けスプレーと日本から持参した蚊取り線香を装備。
荷物をすべて引っ張り上げ、めいめいテントを張り、薪を集める。
今回は人数が多いため、トイレも一箇所作ってくれた。とは言ってもシートで囲っただけだが。
もちろんトイレセットにはベア・スプレー入りだ。

David 達が夕食の支度をしている間、Don からのレクチャーを受け、釣りに出る。
最初は岸から投げていたのだが、カヤックで川から釣ることにした。
おぢさま達はカヌー3人乗りで対岸まで遠征に出掛けた。気合い入ってる〜
30分程して 40cm 程度のグレイリングをキャッチ。どうやら底の方に居るようだ。
Don に見せたら、あっという間にリリースされてしまったので
2匹目を釣るまで粘って写真を撮ってもらう。

ステーキ!

夕食はいきなり焚き火焼きステーキ!とゆう豪華さ。
生肉はさすがに保たないので早めに食べるしかないから…
この日は恵子ちゃんの誕生日ということで、David からフルーツ盛り合わせのサービス。
イチゴが美味かった。

夕食後、ガイドの装備を説明してもらう。
衛星電話にビーコン。ちなみに、ここからヘリを呼ぶと $2,500 程掛かるそうだ。
銃もあった。ただ一度も使ってないとのこと。

森山さんがマジックを披露する。
日本からネタのロープをちゃんと持参するところがマメである。

暗くならないので宴会もテキトーに切り上げ、日付が変わる前にテントに入る。
ニオイのする物は焚き火の周りに集められる。
お菓子等を隠し持っているのは厳禁だ(笑)

本日の漕行距離: 20km


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