北海道 ツーリングレポート 1998 夏

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第 8 話 : 湿原の夏


8/21 (金) 快晴

塘路湖キャンプ場

じりじりとした暑さで目が覚めた。
ひさびさの夏のキャンプの感触。今日もすんばらしいお天気。
今日は距離も短いしそんなに早起きしなくてもいいのだが、もうテントの中には居られない気温だ。

フライシートをはぎ取り、シュラフを太陽に干す。
朝飯前に湖散歩と洒落こんだ。上半身ハダカで漕ぐのがヒジョーに気持ちイイ!
別に隣のテントの女子大生にアピールするために脱いでいたのではない。
念のため。


ゆっくり朝飯を食べ、コーヒーもたっぷり飲んで、まだ時間がある。
しかし、まだ川下りは終わりではない。洗濯物を取り込んで 10時前には出発。
塘路湖の真ん中で食べたグレープフルーツが美味しかった。

美味そうな鴨

塘路川の流れ出しのところで鈴がカワセミを発見した模様。
今となっては珍しくもなんともない鴨くん達を掻き分けて探すが見つからなかった。

どーでもいいが、このへんの鴨はなんとなくダラダラしているように思う。
中流部の鴨は「野生だもんねー」って感じですさまじい離陸(川?)を見せるのだが、
こいつらはフネが近寄っても「餌でもくれるんか〜」みたいな顔して平然と泳いでる。
食っちまうぞぉ。


釧路川本流に出る。
久々の強い蛇行の流れにちょっととまどうが、すぐにカンが戻る。
川は狭くなったり、広くなったり、源流部のように強い蛇行を繰り返すようになる。
ただ、源流部よりは格段に広いので、かなり油断していてもなんとかなる。
# さすがに昼寝してるとヤバそうだけど。

釧路川らしい風景

時折、川岸の樹の密度が低くなって、湿原が見渡せる箇所が急に出てくる。
空と雲と川と樹の織りなすこの風景はカヌーで来なければ見られないだろう。
ぼーっとするのにも最高に贅沢なシチュエーションだ。

しかし、我々は凡人。行きのノロッコ号から見た景色、
すなわち「蛇行する釧路川を行くカヌー」という絵を観光客に見せたい!
ノロッコ号が通るであろう時間と遭遇ポイントを見計らって一生懸命漕ぐ。
途中でなんかアホらしくなって止めたけど、なぜかそう思ったのだ。

旅も残り少ないのにムダに漕いでしまった。
ここまでことごとく空振りに終わったフネの上からのルアーにめげずにチャレンジ。
岸には釣り人の痕跡もあって、川は濁っているものの、大物がいそうな雰囲気はある。
…結局釣れなかった。おまけに巨大流木にルアーを引っかけて、竿先を折ってしまった。
万事休す。ルアーに対する不信感がまた増えたおいらだった。

魚は釣れないが、虫は多い。
フネの上なら全然大丈夫なのだが、小用を足そうと上がりにくい岸に無理矢理上がると、
あっと言う間に群がってきて、一度に 10箇所以上刺される。
バグチェイサーモドキを手首と足首に巻いていたのだが、あんまり効かなかった。

細岡のカヌーポート

そうこうしているうちに、細岡のカヌーポートが見えてきた。 釧路川旅の終点である。少し寂しい。

天気もいいし名残惜しいが、ぼちぼち腹も減ってきたので上陸。 沈もなく無事に約 80km を下りきったのでまずは良かった。
塘路湖からのツアー客の回収係の人に写真を撮ってもらった。

たまたま来ていた NHK の撮影風景を見ながら昼食。
一生懸命フネをバラしたのに、放映されなかったのは悲しかったぞ > にっぽん川紀行

汽車の時間を駅に確認しに行くと、あんまりのんびりはできないみたい。
パッキングを済ませ、細岡の駅まで数 100m をヒーコラ運ぶ。
本気で駅までヒッチハイクしようかと思ったぐらい大変だった。もお汗だく。

この時期、常設線より本数の多いノロッコ号に乗って釧路まで。
行きの列車で雨の中見た岩保木水門が今日は快晴だ。 あそこまで下った方がよかったかなぁ…

釧路駅に着いてフネを送るべく宅急便屋に電話をかける。
どうやら和商のペリカン便は撤退したようで、今はクロネコヤマトのみ。
しかも、カヌーは駅までは引き取りに来てくれないとのこと。
時間も5時までということで、今日はもうダメだそうな。サービス悪いの…

生タコの刺身!

金もないしで、ツーリングトレインにチェックイン。寝床は確保。
風呂屋を探しに行って、またもや休業日に当たって相当な距離を歩いたりしたが、
なんとか旅の汚れも落とせてすっきり。なんとなくヒゲも剃っちゃった。

さっぱりしたところで、再度、東釧路の甚兵衛へ行って打ち上げ!
もくろみどおり北の幸を堪能できて大満足だった。
マスターありがとう!

…この夜、ツッチーがへべれけになる程酔っぱらったのは言うまでもない。


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