北海道 ツーリングレポート 1998 夏

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第 4 話 : 原始の川


8/18 (火) 晴れ!

5時前にばっちり目が覚めた。
体内時計は完璧ツーリングモード。睡眠も久々に十分。快調である。
空はまだ薄暗い。皆に一声掛けて釣りに出かける。
今回の竿はルアー用だが、昨日の例もあるし、自慢じゃないがルアー で釣れた試しがないので (^^; 最初から餌釣り仕掛けを付けて跳湖橋上へ。

釧路川のヤマメ君たち すでに非常食に手を付けている我々にとって、オカズの有無は大きい。
リリースサイズも混じったが、とりあえず人数分4匹のヤマメを釣り上げて一安心。
ツッチーを起こしに戻って、二人で始める。

空はかなり明るくなってきた。
まだ6時前だというのに、ツアーと思われるガイド付きカナディアンが 女の子二人を乗せて出発していった。早起きだなぁ。

時間が悪かったのか、ツッチーが悪かったのか :-)、二人になってからは ぱったりと釣れなくなってしまう。
結局、最初の4匹だけが今朝の釣果だった。
ルアーでウグイを釣っていた地元の釣り師としばし歓談。下流のポイント等を教えてもらった。
彼曰く、ヤマメやレインボー等に比べウグイの方がルアーで釣るのは難しいそうで、
そのためウグイ専門に狙っているそうだが、Catch & Eat を信条にしているおいらは
食べて美味しいヤマメやオショロコマの方が断然好きだ (^-^)

朝食はヤマメ・ラーメン。美味かった。
コーヒーを飲んでぼけーっとしてると、 次々とカヌーツアーの車が乗り付けてきて、出発していった。
雲がみるみる少なくなっていき、風も止んだ。
絶好のツーリング日和なのに、 うだうだ好きな我々は 10時ころまで怠惰な雰囲気を楽み、
ツッチーに至っては、自慢のウエットに持参したマスクとシュノーケルを付けて 屈斜路湖の潜水夫となっていた…

屈斜路湖側から跳湖橋を望む 跳湖橋たもとのキャンプサイトを出発 いよいよ出発!!
やっとここからが本番の釧路川下りだ。
気温はぐんぐん上がって、初めてTシャツ一枚になる。

NECC でアドバイスを受けたとおり、下る順番と役割を決める。
挺長の短いおいらが先頭&ルート決め、 重いボイジャーが真ん中で、しんがりを経験豊富な鈴が受け持つ。

跳湖橋をくぐり抜けると、けっこう速い流れ。
澄んだ水の上を滑るようにフネは流れていく。木漏れ日がキラキラ輝いて、 一瞬で別世界に来たようだった。
視界には人工のものは一切なし。おおおお、これが釧路川か!
思わず「ひゃっほ〜〜」と叫んでしまう人も多いそうだが、 気持ちはよくわかった。

この時の風景の綺麗さと気分爽快さは、おいらにはちょっと文章には表現できない。
機会があれば、是非とも体験してみて欲しい。
昨日の曇り空の下無理して下らずに、晴れるのを待って下って大正解だと 4人とも確信していた。

快調なおいら 川はぐねぐねと蛇行して流れる。川幅は 5〜10m ぐらいか。
沈木もたくさんあるのだが、フネが引っかかりそうなものは意外にもよくわかった。
水面にわずかな波ができているのが見分けられれば OK。
「次、右カーブキツいよ〜」とか「ここ倒木注意〜!」なぞと声を掛けながら下る。
だんだんと川経験値が上がってきたようだ (^-^)

すぐに下ってしまうのが、なんとももったいなく思えてエディに入る。
川の音、鳥の鳴き声、木々のざわめきの他は何も聞こえない。
ちいさなトゲの生えた魚が泳いでいた。

美登里橋のたもと 夢のような源流域はあっという間に終わってしまい、
最初の上陸可能地点「美登里(みどり)橋」で休憩。チョコボールが美味い。
ツアーのカナディアンや、パジャンカのソロのおにいちゃんも下ってきた。

流れの中にウグイの群がいて、フネが上を通ったりすると一旦ばらけるが、すぐに戻ってくる。
どうやらお気に入りの場所らしい。竿を出してみたが、まったく食いつかず。
ツッチー、シュノーケルを付けて水中写真に挑むが、簡単に逃げられて玉砕。

ちょっとしたクランクになっている橋の下の流れをうまく乗り越えて出発。
川幅は多少広がる。車道に近くなったため、車の音が聞こえてしまうのがちょっと興ざめ。
それでも川は美しい。ツアーは美登里橋までが多いため、フネ密度は下がる。 途中、大きな枯れ木がオブジェのように立っていたのが印象的だった。

美留和橋手前で、ショートカットの瀬に当たる。
スプレーカバーをはめ直し、いざ挑戦。基本的には真ん中を真っ直ぐで OK
おいらと鈴は難なく通過したが、2人乗って重いボイジャーが浅瀬に乗り上げやや難儀する。
鈴が、フネから降りてテトラポットの上を走って救援に行ったが、なんとか下ってきた。

ぼちぼち昼時だ。美留和(びるわ)橋を過ぎてしまうと上陸する適地がないということなので、 手前左岸に上陸を試みるが、岸の傾斜がキツくてなかなかうまくいかない。
と、ちょうど岸にいたどこかのツアーのスタッフと思われるおねーさんが、 「もう少し上流の右岸がいい」とアドバイスをくれた。そちらの方が虫も少ないそうだ。

美留和橋上流の上陸地点 少々遡って右岸へ。こちらも傾斜はあるが、さっきよりは登りやすい。
鈴がこういう場合のフネの降り方をレクチャーしてくれた。
フネを流れないように半分もちあげて上陸。
民家が入り口にでて、車の入ってこなくなったダート道の真ん中で昼食。

パンとジャム類、水とお菓子少々の食事だったが、気分も景色もいいので問題ナシ。
午後は釧路川最大の難関「土壁の瀬」に挑むのだ!


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