北海道 ツーリングレポート 2000 夏

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第 10 話 : 釧路川


8/18 (金) 曇り

久々に6時過ぎまで爆睡。朝日が射して来なかったため、寝過ごしたようだ。
釧路川上流を下る日だというのに曇り空なのがなんとも残念。
天気によって印象が大きく変わるトコロなのだ。

朝飯も食べずにテントをクルマに撤収。
日帰り分の装備だけをカヤックに積んで、昨日と同じくキャンプ場側の岸から出航。
再度、和琴半周一周コースへ。

温泉タマゴ完成の図

キャンプ場で朝飯を食べなかったのにはワケがある。
そう。昨日見てウラヤマしかった温泉タマゴを作って食べるためなのだ。
生卵はキャンプ場の売店で昨日のうちに入手済み。抜かりはない。

接岸もそこそこにタマゴを投入。10分程待つ。
ここで、温泉からすくい上げるアイテムがないことに気づいたが、
開き直って根性で素手で取り出す。人間の手は意外と丈夫である。

源泉の温度は 80度以上あるのであろう。
白身もガッチリ固まったハードボイルドな出来になっていた。
誰もいない屈斜路湖を眺めながら食らう温泉タマゴは実に美味であった。

屈斜路湖横断中

腹も落ち着いたので、屈斜路湖横断にかかる。
目標はコタンの湯横のアイヌ資料館の白い建物。
今日も波風共に弱く、ほとんどベタ凪の湖面を進む。
凪いでいると横断もあっと言う間だ。
コタンの湯まで50分ぐらいで着いてしまう。

9時前という時間だったが、驚いたことにコタンの湯は満員だった。
誰もいないだろうから、ひとっぷろ浴びていこうかと思っていたのだが…
水着のおねいさんがニコニコしながら手を振ってくれたので、おとなしく(笑)通り過ぎた。

跳湖橋のたもとには、ツアーのカヌーがぼちぼち。
さすがの釧路川とは言え、2度目ともなるとあまり気分的には盛り上がらないのが気分的にフクザツ。
天気がイマイチなのもあるのかもしれない。2人が川に滑り出して行く姿をビデオに収める。

上流部その1

流れが速い!一昨年よりも水量は多いようだ。
フネに危険が及ぶような水面に達する倒木は少なくて、少し拍子抜け。
それでもやはり、ここは良い。
森の中を静かに抜けていく感じがたまらない。本当に別世界である。
野鳥も多い。ヤマセミらしきつがいを発見し、じっくり眺める。
時折おおきな鷺が川面を横切って飛んでいくのも素晴らしい。

あっと言う間に美登里橋に到着。
海ばかり漕いできたため、のんびり川下りのペースを忘れているようだ。
ヘアピンカーブでケツが流される感触が妙に新鮮。

方向修正のみのパドリングとし、ただ景色を眺めながら流れていく。
あんまりぼーっとしていると張り出した木に引っかかるので、そうもいかないのだが(笑)
笹舟を作って流してみると、自分たちのフネよりも速い。

そうこうしているうちに「ショートカットの瀬」の音が聞こえてきた。
特に下見もしないで真ん中に突入。スプレースカートをしないままでも大丈夫だった。
底を擦る気配はない。直線的な不自然な流れと両岸にはテトラポッド。上流部で眺め最悪の場所である。

美留和橋の欄干にカヌーイスト向けの案内が掛かっていた。
あと何キロとか書かれても気分がそがれるだけだ。まったくもって無粋である。
橋の下流の、これまた無粋な護岸に上陸。ツアー用の駐車スペースができていた。
もっとマシな場所で昼飯にすればいいのだが、上陸できる場所は限られているのだ。

そそくさとパンとコーヒーの昼飯を済ませて、再び船上へ。
マトモな流れになるまで、コクピットから足を出して居眠りしながら下る。
天気はずっと曇り空でイマイチ冴えない。心なしか虫が少ない気がした。

上流部その2

川は改修部(改悪部)を抜け、ようやく本来の流れに戻った。
ここからが倒木地帯の本番。周りの緑もぐっと濃くなってくる。
川幅も広くなったり狭くなったりでとても楽しい。

ダラダラ下る我々を、ボイジャー450に2人乗りした夫婦が追い越していった。
「土壁の瀬」のことをしきりに気にしていたが、まだしばらくは大丈夫のハズ。
このあたりになると、どうも距離感や方向感が怪しくなってくるのだ。

だんだんと土壁が気になってきた。この水量の多さだ。どうなっているか予想がつかない…
森の奥深くの様相がさらに強くなっていく。
時折流れが速くなって緊張するが、それらしき雰囲気の場所にはなかなか辿り着かない。

そうこうしているうちに、急な右カーブでアウト側に倒れた笹がストレーナになっている箇所があり、
油断していた3挺ともが突っ込んでしまい、バサバサとかき分けながらギリギリでクリア。
危ない危ない。と、左岸の木に色あせたテープのマーキングが!
お待たせしました。本日のメインイベント。土壁の瀬 である。

土壁の瀬その1

ボイジャーの夫婦が手前右岸に上陸して偵察というかビデオを回していた。
我々も上陸してしばし偵察。前回とは様子がかなり異なっていた。
まず三角岩が見あたらない。水量が多いため、水面下に埋もれてしまったのか、流れてしまったのか?
川幅もかなり広くなっており、絶対的な倒木の量が少ない。

タイミングよく?後ろから来た一挺のダッキー君が上陸するタイミングを逃して、そのまま瀬に直行。 それでも難なくクリアしていった。
連れの初心者らしきボイジャー415君も、直前の笹に引っかかってカメラを流してしまったが、 自分自身はあっさりとクリア。

土壁の瀬その2

そいじゃってんで、おいらも突入。
流れは速いものの、別に難しいこともなくインコースの左岸まで辿り着く。
うーむ。この前はかなりの恐怖地帯だったのにな〜

結局全員あっさりと通過してしまった。
ただし、その直下の本流上に大きな倒木があり、 レスキューロープの残骸が引っかかっていたのはなかなかの見物だった。
「土壁の瀬」本体よりも、その前後の方が危ない状況だったと言える。

摩周大橋で上陸。
うだうだしていたら、和琴行きのバスを逃してしまい、タクシーでクルマを回収に行くハメに…
4000円程余計な出費が掛かってしまったが、運転手さんに弟子屈の美味い店情報を聞いたのでよしとしよう。

フネをたたんで、弟子屈飛行場近くの「亀の湯」へ。
ここは何回か前を通ったことはあったのだが、今回が初チャレンジ。
源泉のすぐ近くだが、無味無臭のさっぱりしたいいお湯だった。
その後、教えてもらった店で、北海道名物ザンギや海鮮ラーメン、おでんなどを堪能した。

8時も過ぎた。寝場所を考えたが、再び900も芸がないので、R391を釧路方面に走る。
地元クルマにびゅんびゅん抜かれて恐い。いちおー北海道標準速度は出してるんですけどぉ…
標茶のセイコーマートで休憩。外は長袖を着ていても寒いぐらい。それでもアイスを喰う我々。

結局、塘路湖まで走り、キャンプ場にテントを張る。
シュラフに潜り込むのと同時に意識がなくなった。今日もいい一日だった。ぐぅ。


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